当初の FITS の規格では、DATEキーワードの形式は、例えば 1997 年 2 月 18 日なら '18/02/97' のような形で表すとされていた(DATE-OBS などの関連キーワードも同じ)。
この形式の問題は、年のところが下2桁しか使っていないことにあり、2000 年が来ると、下2桁だけでは、1900 年代のことか 2000 年代のことかの区別がつかなくなってしまう。
この点について、1996 年 6 月 25 日付けで Peter Bunclark (RGO) が sci.astro.fits に疑問を提示し、その後 sci.astro.fits でいろいろな議論が交わされてきた。
それを受けて、主に、A) DATExxxxキーワードの日付フィールドの書式変更で対処するか、あるいは B) DATExxxxを置き換える新たなキーワードを定義する方向で対処するか、について、IAU-FWG の議長である Don Wells が sci.astro.fits でアンケートを取り、また、Preben Grosbøl が IAU-FWG のメンバーに同様のアンケートを取って問題の整理と意見の集約を行った。
そして、これらをまとめた提案を Bunclark が 1996 年 11 月 19 日に公開し、ヨーロッパ FITS 委員会が投票の結果採択した (1996 Dec. 20)。
その後、アメリカの WFC (WGAS (Working Group on Astronomical Software) の FITS 委員会) が議論し、A. Rots が改訂版を、1997 年 6 月 27 日に公開し、WFC および日本 FITS 委員会がこれを是認した。これを受けて、IAU-FWG で正式投票の準備が始まり、そこでの議論を受けてさらに A. Rots によって改訂されたバージョン (1997 年 10 月 24 日)を元に投票が実施され、正式に是認された。ここではその全容を紹介し、関連するソフトウェア開発者の方への注意を喚起したい。
Osamu Kanamitsu
2019-02-15