汎用の画像処理ソフトウェアの中にも FITS に対応しているものがある。 ただし、これらのソフトでは 2次元の単純な FITS 画像の表示だけに対応していることが多いので、画像のブラウズに使うにはかまわないが、解析などの場合は注意が必要である。
[netPBM]
netPBM は 以前 pbm+ (extended Portable BitMap toolkit) と呼ばれていたソフトウェアの改訂版であり、FITS ファイルと他の多くの画像フォーマットのコンバートができる。 netPBM では基本となるフォーマットは pnm (=portable any map は pbm(portable bitmap), pgm(portable gray map), ppm(portable pix map) の総称) や pam (=portable arbitrary map) であり、それらと他の画像形式との変換用のプログラム群が含まれる。 FITS に関しては fitstopnm, pamtofits という変換プログラムがそれにあたる。 現在では sourceforge.net にあるプロジェクトにより開発されており、ソースコードの他に、各種 UNIX (Solaris, IRIX, NetBSD, BeOS, Mac OS X, FreeBSD, 各種 Linux )、Windows(cygwin, djgpp, Mingw32), Amiga など用にビルドされたものも配布されている。
最新のバージョンは 10.47.71(super stable) で情報は以下から。(2018年12月版)
http://netpbm.sourceforge.net/
[ImageMagick]
ImageMagick も汎用の画像処理ソフトウェアである。 netPBM と違って、画像の変換は convert、画像の表示は display というように役割ごとに 1本のプログラムで各種画像形式に対応している。 他には画像の情報表示の identify、画像の拡大・回転などの mogrify、画像合成の montage、表示イメージのダンプの import、アニメーション作成の animate などのプログラムが含まれる。 ソースコード以外に、UNIX プラットフォーム(Solaris, FreeBSD, Fedora用RPM, MacOS X)用のバイナリ、Windows 用のバイナリも配布されている。
最新バージョンは 7.0.8-25 で情報は以下から。(2019年1月版)
[gimp]
gimp (GNU Image Manipulation Program) は GNU (http://www.gnu.org/) により開発されているフリーのフォトレタッチソフト(主に写真などの画像データの加工・修正用ソフト)である。 FITS を含む多くのフォーマットを扱うことができ、画像処理一般と高度なフォトレタッチなどの処理が行える高機能なソフトである。 ソースコードと、UNIX (Solaris, FreeBSD, 各種Linux, MacOS X) 用バイナリ、Windows 用のバイナリが配布されている。
最新バージョンは 2.10.8 であり、情報は以下から。(2018年11月版)
[xv]
古くから知られているシェアウェアの画像ツール xv はバージョン 3.10a 以降で FITS フォーマットに対応している。 最近はバージョンアップもなく、新規の開発はされていないようだ(3.10a のリリースは 1995年)。 情報は以下から得られる。
http://www.trilon.com/xv/xv.html