今回、開発したラッパープログラムは次のようなものである。
- Ruby/Tk のスクリプト。最近の ruby であれば Tk も同梱されているので、Windows環境にインストールすればすぐに使え、修正も容易である。(コメントを含めても200行ほどで収まっている)
- Ocra による Windows実行ファイル化をすればダブルクリックで起動する Windowsソフトとして使える。(ただし raw2fits を呼び出した時に黒いコマンドウインドウは出る)
- 使用方法はGUI画面に出る番号順に、1.rawデータの入ったフォルダ指定、2.ファイル一覧から処理するファイルの選択(複数選択可)、3.処理実行、とするだけである。
- 処理後は、RGBごとにフォルダを作って振り分けるので天体とダークなどをRGBごとに処理できる。(元のraw2fitsの仕様に従って、red, blue, green1, green2, green の5つのフォルダができる。green だけはべイヤー配列で2画素あるので、其々と平均を取ったものの3フォルダになっている)
(キャノンのデジカメではファイル容量の小さい mRAW, sRAW という形式で保存でき、この場合は red, blue, green の3つのファイルが生成されるのでフォルダ振り分けも3つになる。RAW は通常のベイヤー配列を記録したものだが、mRAW, sRAW は RGB をスタックしたものらしい。)
[2016年11月8日追記:] 2016年1月以降の raw2fits では上記のRBG(G,G1,G2)の5ファイルに加えてL画像(RGGB を加算したLuminosity画像)も書き出すように修正された。それに合わせて raw2fits_win でも追加して luminous フォルダを作って L画像を収納するようにしている。
- 想定している使い方は、天体とダークやフラット画像(複数枚?)を取った時に、RGBで振り分けて FITSファイル化し、例えば Rのフォルダで一時処理(ダーク、フラット処理など)をして処理結果のデータを得て解析に使う、などである。
スクリプトと実行ファイルのダウンロードは以下から。
raw2fits_win のダウンロードサイト
(注:元の raw2fits は前記の星空公団のサイトから入手できる。raw2fits.exe と raw2fits_win.exe を同じフォルダに入れて、raw2fits_win.exe をダブルクリックで起動する。raw2fits.exe を呼び出す時に黒いコマンドウインドウが出るが害はない。)