FITS 関係のソフトウェア



一般の天文ユーザ向けソフトウェア

国産ソフトウェア

[ Makali'i: 教育向けソフトウェア ]
教育現場で無償で簡単に使えるように、国立天文台とアストロアーツにより開発・配布されているソフトウェア。 FITS画像のブラウズの他、スペクトルデータでは分散軸に沿ったスペクトルのグラフ表示や測定機能も持っており一般的な解析なら十分に可能である。 非営利の天文教育・普及目的であれば誰でも自由に使える(利用者登録が必要だが登録は無料である)。 なお、Makali'i とはハワイ語で「小さな目」の意で「プレアデス星団(日本名 すばる)」を意味することからすばる望遠鏡のデータ解析用という意味がこめられている。 配布元は次のとおり。
⇒ Makalii配布サイト
[ Qfits: JAHOU教育カリキュラム用ソフトウェア]
JAHOU (JApanese Hands On Universe) の教育カリキュラムで利用できるように小池邦昭氏により開発され、配布されていたソフトウェア。 画像の表示やプロファイルのグラフ化、測光などの機能を持っていた。 現在は配布サイト不明(ご存じの方はご一報下さい)。
[ BeSpec: スペクトル解析用ソフトウェア ]
美星天文台の川端哲也氏により開発、配布されているソフトウェア。 特にスペクトル解析用の機能を多く持っており、一般ユーザのスペクトル解析には貴重なソフトである。 配布元は次のとおり。
⇒ BeSpecサイト
[ StellaImage: 商用の天文画像処理ソフト ]
(株)アストロアーツにより開発、販売されている商用ソフトウェア。 どちらかというと望遠鏡で撮った天体画像を画像処理してきれいなイメージに仕上げる用途のソフトでアマチュア観測家などによく使われる。 画像処理関係の豊富な機能を持っている。 配布元は次のとおり。
⇒ StellaImage のサイト

外国産ソフト

[ fv: FTOOLS パッケージ付属のブラウザ ]
HEASARC (High Energy Astrophysics Science Archive Research Center) の W.D.Pence をリーダーとする FTOOLS team により開発されている FITSファイルのヴューワ、エディタである。 FTOOLS パッケージに付属するが、スタンドアロンでも使える。 各種Unix、Windows、MacOS-X など様々なプラットホームに対応している。 2009年7月現在の最新版は5.3。
→ fv 各種プラットホーム用
最新情報のチェックは配布元サイトへ。
⇒ fv 配布元
[ FITSView: マルチプラットホームノブラウザ ]
NRAO の Bill Cotton により開発されたブラウザであり、Unix(X Winodw)、Windows、Mac OS といった代表的なマシンで使える。 しばらくアップデートがなく、古いソフトになってしまったが、その分動作は軽い。 2007年8月現在の最新版は2.2(Linux)〜1.3.4(Windows, X)。
→ FITSView 各種プラットホーム用
最新情報のチェックは配布元サイトへ。
⇒ FITSView 配布元サイト
[ ds9: IRAF にも対応するブラウザ ]
SAO (Smithsonian Astrophsical Observatory) で開発されているブラウザである。 元々は NOAO と協力して開発されたブラウザで、IRAF の標準表示ツールとしても使われた SAOimage の後継ソフトである。 ds9 になって WindowsやMacOS にも対応するようになった。 2010年10月現在の最新版は6.2。(ただし Linux(64ビット版含む)と MacOSX(X Windows版)のみ。Windows, Solaris, MaxOSX Appli版は 6.1)
→ ds9 各種プラットホーム用
最新情報のチェックは配布元サイトへ。
⇒ ds9配布元サイト
[ JSky: ESO のビジュアライゼーションツール ]
ESO (European Southern Observatory) で開発されていた天文イメージのビジュアライゼーションやカタログのアーカイヴへのアクセスツールである SkyCat をベースに、Java 版として開発されているツールである。 Java 環境があれば機種・OSによらず動作する。 動作には JDK と Java のイメージングツールキットである JAI (Java Advanced Imaging) が必要であり、これらはJAI のページからダウンロードできる。 2009年6月現在の最新版は3.0。
→ jsky の jarファイル
最新情報のチェックは配布元サイトへ。
⇒ jsky 配布元サイト

本格的な解析用ソフトウェア

定番の解析ソフト

[ IRAF: 天文解析の標準的ソフト ]
IRAF (Image Reduction and Analysis Facility) は NOAO (National Optical Astronomy Observatory) で開発されている天文解析用のソフトウェアパッケージであり、プロの天文研究者も多くの人が使っている。 日本の光赤外分野でもデファクトスタンダードといってよい。 ハッブル望遠鏡のデータ解析用の STSDAS などのアドオンパッケージも存在する。 当初は Unix ワークステーションでのみ動作していたが、PC Unix (各種Linux や FreeBSD など) でも動作するようになり、利用範囲が個人レベルまで広がった。 IRAF そのものは解析用のパッケージであり、画像表示などには同時に配布されている X11IRAF という GUIパッケージを使うか、ds9 などの表示ソフトを使う。 2010年11月現在の最新版は2.15(このバージョンから Linux, MacOSX の64ビット版にも対応した)。最新情報のチェックは配布元サイトへ。
⇒ IRAF 配布元サイト
[ AIPS: 電波天文分野の標準解析ソフト ]
AIPS (Astronomical Image Processing System) は NRAO (National Radio Astronomy Observatory) で開発されている電波天文分野の標準解析ソフトである。 2010年12月現在の最新版は31DEC10。最新情報のチェックは配布元サイトへ。
⇒ AIPS のサイト
[ MIDAS: ESO の標準解析パッケージ ]
MIDAS (Munich Image and Data Analysis System) は ESO で開発されている天文解析用パッケージである。 ESO の観測装置に対応したパッケージを持っている。 各種 Unix と PC Linux で動作する。 2010年9月現在の最新版は10SEPpl1.0。最新情報のチェックは配布元サイトへ。
⇒ MIDAS のサイト

開発者向けのツール

[ FTOOLS: FITファイルの処理用ユーティリティ ]
FTOOLS は HEASARC の W.D.Pence らによるユーティリティ群である。 各ユーティリティは個別にも動作するし組み合わせて利用することもできる。 Unix 一般、Linux、MacOS-X、Cygwin で動作する。 2010年9月現在の最新版は6.10。最新情報のチェックは配布元サイトへ。
⇒ FTOOLS のサイト
[ FITSIO: FITSの入出力のライブラリ集 ]
W.D.Pence により保守されている FITSIO パッケージはサブルーチンインターフェイスであり、最新のFITS規約に対応するようアップデートされている。 Unix 一般と Windows に対応するソースコード、Windows の DLL が配布されている。 2010年6月現在の最新版は3.25。最新情報のチェックは配布元サイトへ。
⇒ FITSIO のサイト
[ WCSLIB: WCS の定番ライブラリ ]
ANTF (Australia National Telescope Facility) の M.Calabretta が開発している WCS (World Coordinate System) の座標変換をインプリメントしたルーチン集。 2004年12月現在の最新版は4.6.3。最新情報のチェックは配布元サイトへ。
⇒ WCSLIB のサイト