データ配列がデジタル画像を表わしている場合、データ配列と物理画像との変換はピクセルのうちのどこがデータ点か (中心かコーナーか) 、ということを知る必要がある。 歴史的にいうと、天文学者は一般的に FITS ファイルの中のインデックスはピクセルの中心を表すと仮定してきた。(この解釈は、上記論文 (WCS Paper I) でも是認されている)。 これはコンピュータグラフィクスで一般的な、ピクセルの中心は .5 の点に対応する、という慣例とは異なっている(次ページの図3参照)。 FITS ファイルでのピクセルは、通常、物理空間の体積要素とみなされ、変換や回転によっては別の視点から見られる可能性がある。 そのような操作をした時、体積要素の中心だけが不変である。 現在は、天文のコミュニティではこれに関する標準の規約が決まっていないので、FITS ファイル作成者は適切なコメントによって、(COMMENTキーワードを使って) そのファイルがどのような規約にしたがっているか、を読み取りソフトウェアがわかるようにすべきである。
データ配列の中の順序と、表示されたイメージの中の位置との関係 (例えば、最初のピクセルが、一番上なのか下なのか) もまた規約の問題である。 上記論文によると、FITS ファイル作成者は、最初のピクセルが画像の左下隅であり、続くピクセルは画像の右方向へ (直交座標の - 軸のように) 並び、それが順次上方向へ (- 軸) へと続くように並べることを推奨している。 この規約は、現行の CRVALn などのキーワードを使った座標軸の表現を置き換えるものではない。