PCi_j 形式では、変換行列の要素 はヘッダーの PCi_j (浮動小数) で表され、 は CDELTi で表される。 や は 1から始まり(例えば PC1_1とかCDELT1)、デフォルトの PCi_j の値は に対して 1.0 それ以外は 0.0 である。 PCi_j 行列は正則行列で逆行列を持たなければならず、CDELTi は 0であってはならない。
中間世界座標の は前述のとおり で計算される。
一方、CDi_j 形式では、式 (16) と (17) は一緒になって、
(18) |
となり、積 が CDi_j (浮動小数) で表される。 や は 1から始まり(例えば CD1_1)、CDi_j 行列は正則行列で逆行列を持たなければならない。
古いソフトウェアのために、CDELTi や CROTAi は CDi_j と共存することが許されるが、新しいソフトウェアではこれらは無視されるべきである。 CDi_j と PCi_j のデフォルトの振る舞いは異なり、もし 1枚以上の CDi_j キーワードレコードが存在すれば、存在しない CDi_j は 0とみなされる。 一方、CDi_j が存在しない場合は、PCi_j キーワードレコードが存在しなくても、PCi_j 形式が仮定される(これは Wells らによるFITS の原論文(4.1節 の FITS Paper I)のCDELTi の解釈と一致する)。 PCi_j と CDi_j の混在は禁止される。 このため、CDi_j 形式と PCi_j 形式の変換は単純にキーワードの置き換えで行われ、CDi_j は PCi_j と同値で CDELTi は 1と見なされ、逆の場合は PCi_j と CDELTi から CDi_j が計算される。
Osamu Kanamitsu