: [IRAF にも対応するブラウザ]
r.4
(ds9 で解析中の例)
|
ds9 は SAO (Harvard 大の付属天文台である Smithsonian Astrophysical Observatory)で開発されている FITS ブラウザである。
元々は X Window 上の画像表示ツールとして NOAO (アメリカの National Optical Astronomy Observatory) と協力して開発され、専門家向けの天文解析パッケージである IRAF の標準表示ツールとしても使われていた SAOimage の後継ソフトである。
ds9 は当初 X Window で先行開発されていたが、現在では多くの Unix系プラットホーム(Mac OS X 含む)と Windows 版も同時にリリースされるようになっているようだ。
機能的には SAOimage と PC IRAF 対応の表示ツールである ximtool に加えて更に機能追加したものと言ってよく、X Window 版は IRAF の表示ツールとして使える。
最新のバイナリが公開されているのは、Linux(debian Fedora, CentOS, Ubuntu, OpenSUSE), Mac OS(El Capitan 10.11以降), Windows7/8/10(64 bit, Cygwin版も) である。
(上記以外の Unix プラットホーム用(Solaris, Alpha, hpux, sgi など)はアーカイヴで古い版しかないようだ)。
代表的な機能は次のとおり。
- FITS ヘッダの閲覧
- Binary Table, Image などの Extension を扱える
- FITS の n 次元画像を扱える
- 圧縮された FITS 画像を扱える
- 生のイベントファイルをサポート
- IRAF 形式をはじめ一般ファイルの閲覧と編集も可能
- 一般的な各種画像フォーマットへの書き出しが可能
- ブリンク、コントア、スライス面のプロットなどができる
- ビニングやグリッド表示ができる
- モザイクイメージへの対応
- WCSに対応(天球座標表示可能)
- データベースサーバに接続して表示可能
- XPA に対応
最新版は 8.0.1 で配布元は次のとおり。(2019年1月7日版)
http://ds9.si.edu/site/Home.html
Osamu Kanamitsu
2019-02-15