例えば Table Extension は table や list などをデータ配列と共に同じ FITS ファイルに書くことで、異なる種類のデータ片の間の関係をデータ配列として確立させる。
このために採用された手法は、Primary HDU (Header and Data Unit) と同様に、ASCII カード・イメージ (keyword=value 形式) のヘッダ部とデータ部からなる拡張 HDU を定義することであった。 異なるデータ形式を定義する多くの種類の拡張が存在できる。 こうした構造化された拡張部(extension)は、Primary データ配列の FITS ヘッダを読むソフトウェアを拡張ヘッダも読むように改良するのを容易にする。 拡張部データについての情報は、その拡張の規則で規定された方式で拡張部ヘッダに記述される。 すべての論理レコードは Primary 部と同様に 23040 bits (= 2880 8-bit bytes) である。 この HDU 自身が拡張と呼ばれ、そのデザインは拡張タイプと呼ばれる。 拡張部の新種の設計に当たっては、既存の FITS データと不整合が生まれないようにしなければならない。
(基本) FITS (Basic FITS )はファイルの先頭になければならないので、拡張は Primary HDU の後に置かれなければならない。 先頭の配列は 23040-bit レコードの終わりで終わるので、拡張部は常に新たなレコードから始まる。
ほとんどの FITS の拡張部は(基本) FITS 同様、天文コミュニティに受け入れられ IAU で是認されれば、スタンダードになれる。 FITS ファイルは、複数種類の拡張部を持つことができ、その順序の規定はない。
FITS ユーザが 1 つのファイル中の複数の拡張部のうち任意のものだけを読むことができるよう、2 つのルールが設定されている。
FITS ファイルを読むソフトウェアは自分の扱える拡張のタイプのリストを持っており、ヘッダからタイプ名を読み、それを扱えるかどうかを決める。 もし扱えない場合は、いくつのレコードをスキップするべきか計算し、次の拡張の先頭へ行く。
一般化拡張部の規則は、1988 年 IAU により是認され、現在では以下の論文として参照可能である。(FITS Paper III (第II部 参考文献[4]))