FITS フォーマットの成功は、配列の形になっていないデータベース (カタログ等) についての標準データ形式への要求を惹起した。
これが動機となり、表形式拡張部が定義された。これは、次のようなデータに対し応用することができる。
- 標準的カタログ
- 観測ログ・較正データ・中間データ等の観測に関する情報。観測結果を (基本) FITS 配列とし、付加情報を表形式拡張部として付け加える。
- データ解析結果の表。例えば、多くのソフトウェアはデジタル化されたイメージから天体を抽出し、その位置、フラックス、サイズ、スペクトル型、偏光などのパラメータを出力ファイルに書き出す。天文学者はこの出力ファイルを送り、受け取った方はそれを扱うソフトウェアで表の比較や融合などの操作ができる。
ASCII 表形式拡張部は、これ以前の FITS フォーマットと一般化拡張部の規則に従う。
表データは文字配列として記録される。各行はいくつかのフィールドから構成される。
各フィールドについての情報 (フォーマット (FORTRAN-77 様式)・位置・内容等) は拡張部ヘッダに記述される。
この形式は ADC(Astronomical Data Center) カタログ等で使用されており、現在は標準の一部としてスタンダードにも取りいれられている。
これは現在では以下の論文で参照可能である。(FITS Paper IV (第II部 参考文献[5]))
- Harten, R. H., Grosbøl, P., Greisen, E. W., and Wells, D. C. 1988,
“The FITS Tables Extension,”
Astron. Astrophys. Suppl., 73, 365-372.
ここまでの、4 つの論文でまとめられている部分が、「基本」FITS 又は「原始」FITS を形づくっている。
Osamu Kanamitsu
2019-02-15